そのメッセージは何か? 帰ってきたヒトラーを観た感想

帰ってきたヒトラー

これをコメディーというセクターで終わらせていいのだろうか。

それほど、この映画はタブーな問題に触れている。

私はドイツへの渡航経験は一切なく、ドイツ市民がどう感じているのかをここでは語ることができないが、あの最悪な歴史を知っている1人として、語ることはできるだろう。

歴史上最悪の独裁者と言われている人物を映画の中であれ、扱っていいのだろうか、という疑問ももちろん残った。

 

作品紹介

ヒトラーが現代によみがえり、モノマネ芸人として大スターになるというドイツのベストセラー小説を映画化。服装も顔もヒトラーにそっくりの男がリストラされたテレビマンによって見出され、テレビに出演させられるハメになった。男は戸惑いながらも、カメラの前で堂々と過激な演説を繰り出し、視聴者はその演説に度肝を抜かれる。かつてのヒトラーを模した完成度の高い芸として人々に認知された男は、モノマネ芸人として人気を博していくが、男の正体は1945年から21世紀にタイムスリップしたヒトラー本人だった。ヒトラー役を演じるのは、舞台俳優オリバー・マスッチ。

 

感想

ヒトラーへの忠誠を誓うナチス式敬礼を市民が面白半分でやっているシーンやヒトラーのテレビ番組での沈黙シーンは、リアルな扇動シーンを想像させている

特にこの沈黙シーンは、当時のヒトラーの演説と重ねることで、1人の指導者のカリスマ性というものが宿っている瞬間に感じる。おそらく本物は、もっと凄かったのだろうが。。。

また、それを見ている民衆、敬礼ポーズをする民衆、サインを求める民衆を見ていると、たとえモノマネと思っていても、ヒトラーというタブーが現代では何と無く許容されているのが、とても恐ろしくなる。

このような小さなうねりが、第二のヒトラーを生むという悲劇になり得るというメッセージが込められているように感じる。

民主主義において、指導者を生み出すのはいつでも私たち民衆なのだ。どんな独裁者も小さな扇動から始まる。第二のヒトラーを生まないためにも私たち民衆が、学ばなければならないということを教えてくれる映画。この映画は、現代を生きる者全てに警告を出してくれてるのかもしれない。

ここまで語ると、重いドキュメンタリー映画のように感じる。 しかし、どこか笑えるようなコメディーチックという要素が、新鮮で見やすくなっている映画です。逆に、コメディーだからこそ伝えれるメッセージとなり、表現できるタブーな世界なのだろう。

 

まとめ

最後に、この映画に対してのまとめだ。 ヒトラーという独裁者を、コメディチックに現代に復活させた世界は、コメディだからこそ表現できる世界で、プスッと笑える瞬間は、映画をニュートラルな空間に仕上げている。 しかし、その反面、ヒトラーという人物も民衆の小さなうねりの中から、”政治”という世界に入り込もうとする姿は、またそれで恐ろしかった。その小さなうねりに気付く者とそうでない者の対比もうまく描かれているのがこの映画だ。 私たちに、二度とあの歴史を繰り返してはならないと教えてくれるメッセージ性の強い映画だった。  

 

 

【あなたの人生を変える映画】きっと、うまくいく。 

「きっと、うまくいく。」 皆さんもこの言葉を日々自分に言い聞かせることで、新しい人生の扉が開けるのかもしれません。 今回は、誰もが愛するインド映画の感想レビュー。 そこには、筆者にたくさんのことを教えてくれる人間ドラマが隠れていました。  

簡単な作品紹介

インドで興行収入歴代ナンバーワンを記録する大ヒットとなったコメディドラマ。インド屈指のエリート理系大学ICEを舞台に、型破りな自由人のランチョー、機械よりも動物が大好きなファラン、なんでも神頼みの苦学生ラジューの3人が引き起こす騒動を描きながら、行方不明になったランチョーを探すミステリー仕立ての10年後の物語が同時進行で描かれる。

  

How I felt

笑いあり、涙ありの感動映画だった。

一見、抱腹爆笑のコメディー感満載のインド映画のように思えるが、そこには、全く違う人生を歩む三人の絆がたっぷり詰まる感動モノだ。

全国のエリートが集まる超難関校の同部屋に、型破りで自由人のランチョー、機械より動物好きの写真家ファルハーン、何でも神頼み臆病者のラジューが集まり、三人の絆は四年感を通して大きくなっていく。

10年後、5年間行方不明になっているランチョーを探すため、ファルハーンとラジューは、とある山奥に行き着き、ランチョーを見つけ出すという物語になっている。

ランチョーは大学主席のエリート。それでも、自分の好きなことを追求するまさに自由人だ。「成功を追いかけるな、優秀であれば成功が付いてくる」というセリフが物語の中で何度も出てくる。学位を取り、エリート校の肩書きを持ち、いい会社に就職すことは、彼にとってはどうでもいいのだ。彼は、好きなことを追求すれば、その道で成功するということを教えてくれる。ここでの成功とは何か、決してお金を得ることではないというのは明らかだった。

また、この物語は、3人の絆を通して、本当の幸せとは何なのかというものを考えさせられる。 「all is well(うまくいく)」という言葉がこの映画の代名詞だ。この世界にいると、ファルハーンのように好きなことより周りの求める要求にだけ答えるようになったり、ラジューのように臆病に生きるが故に自分を苦しめたりすることは決して少なくない。でも、一歩進むだけで世界が変わることもあるんだということを教えてもらった。エリートであれど、人が決めたルールの中で、人が敷いたレールの中でもがき苦しみ、死床で後悔なんて誰もしたくないですよね。ランチョーの生き方は、この映画を見る多くの人に勇気を与えてくれるかもしれない。

また、10年後彼らが再開するシーンは素晴らしいが、その世界は、決してエリートという肩書きやお金で価値を決めることは決してない。人生をいかに楽しみ、親友や家族と過ごす時間がどれだけの幸せをもたらしているのかを教えてくれる。

  ちなみに、all is wellだけを聞きたいならここにYouTubeを貼っておく。 All Is Well [full HD song]  

 

まとめ

インド映画特有のダンスシーンも観ることができる。やっぱり、インド映画には、インドの音楽とダンスがなければインド映画ではないなとつくづく実感する。

改めて、抱腹絶倒の学園コメディ映画ではなく、そこには、誰もが体験する人生の悩みを表現してくれるアートが存在していると言ってもいいくらいに、筆者はこの映画に素晴らしいものを見せてもらった。

きっと、うまくいく。

 

 

   

過酷な階級社会で生きる青年達を描く スラムドッグ$ミリオネア

「ミリオネア」 一度はこの言葉を耳にしたことがあるのではないだろうか。 私たちは、たったこの一言で、夢をできるのかもしれない。 まさに魔法のワードのようだ。 この世の中にお金より大事なことがあるとすれば、それは何だろうか。 きっとこの映画がそれを教えてくれるのかもしれない。

 

簡単な作品紹介

 

トレインスポッティング」や「127時間」などを手がけたダニー・ボイル監督が、スラム育ちの青年の運命と過酷な半生を疾走感あふれる演出で描いた人間ドラマである。インド・ムンバイのスラム街出身で無学の青年ジャマールは、TV番組「クイズ$ミリオネア」で最終問題までたどり着き、一夜にして億万長者となるチャンスをつかむが、不正を疑われてしまう……。インドの外交官ビカス・スワラップによる原作小説を、「フル・モンティ」のサイモン・ボーフォイが脚色。第81回アカデミー賞では作品賞、監督賞ほか最多8部門を受賞している。

映画.com 作品情報より引用   

 

 

 

この映画を観終えての感想

 

インド社会における過酷な日常が、この映画を通してはっきりとわかった。 しかし、それでもこの映画は素晴らしく美しかった。

ミリオネアを眺めることが、人々にとってどれだけインディアンドリームなのか。。。

現実逃避や憧れ、生きがいを感じることさえも。

また、日常生活の苦しさ、社会の過酷さ、運命の尊さが、このミリオネアというお金の世界との対比により、どれだけ厳しい世界なのかが改めてわかる。

主人公が、求めていたことは、「ミリオネアで賞金を得ること」ではない。 「有名になる」ことでもない。彼は、ただ純粋に運命の人と出逢いたかった、愛を感じたかった。 彼がミリオネアから手にしたのは、お金ではなく、愛。この部分のお金と愛が大きく対比されているのも面白い点だった。

 

 

この映画の一連のシナリオに注目しよう。

最初の入り。私たちは、この映画からあるクエスチョンを与えられる。 この部分は、まさにどストレートな質問。 最後になれば意味はわかる。

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ミリオネアからの問題が与えられるシーン。 彼は、その答えを自分の人生のストーリーから導き出そうとする。そこから見えてくる主人公が経験するインド社会の過酷な現実とは。この映画は、主人公の頭の中で、"夢・現実"という相反する世界を行き来するシーンが多い。(ミリオネア=夢、スラム=現実)

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終盤、夢と現実が愛交じる瞬間、夢の中にいる主人公から現実の世界にいる1人の女性に一本の電話が。。。

インド中が夢見る中、2人だけは現実の世界にいて、恐れるものはないと言ったような空間が筆者の心を溶かしてくれる。

ここで、1番最初の質問が蘇るのですね。 そこの答えには、ある2文字が。まさに彼らにぴったりです。

 

まとめ

夢と現実をインド社会が作り出す空間で生きる人達の物語がこの映画の醍醐味です。

私的には、インド世界があまりにも衝撃的でした。日常の中で何が正解で不正解なのか、善で悪なのか、幸せで不幸なのか、改めて考えさせられる映画です。

社会的障壁の中で人々は、ミリオネアだけに夢見る時間を託した。そこで、スラムから1人の青年が夢と現実を繋ぐ瞬間がなんともいえないのです。

 

 

あんたらかっこいいぜ...ファミリー・ビルド 二人の絆

「海の果てには何があるのか?」 なんて疑問もう古臭く感じます。 時代が進むに連れ、私達は、インターネットによりオンライン上でどこにでも行けるようになりました。こんな言葉は、もう時代に合っていない。 まあ、そんなことどうでもよく感じます。 やっぱりロマンは持つべきだ!というのがこの映画が教えてくれた大事なこと。 何いってるかわからないと思うので、是非筆者のロマン心を以下の感想から読み取ってください。 そして、映画を観てください。

作品紹介

一人海岸沿いに住むアブナー(クリストファー・ロイド)。夢は壊れた船を補修し太平洋を渡ること。地面に埋められ悲しまれるより、海で食物連鎖の役に立ち死にたい。そんな父の様子を心配し、娘が様子を見に来るが干渉するなと取りつく島もなく。そんな彼のもとに少年が逃げ込んできて。 amazon prime videoより

 

この映画の感想と印象

普遍的なロマンを感じることができた

ドラマや映画、アニメでよくある「この海には、何があるのだろうか・・・」的なセリフ。正直一度はリアルで言ってみたい言葉ランキングtop10に入りますよ。 まあ、よく主人公が持つ夢や自由さへの探究心を表現するといった感じですが。やはりロマンを感じます。 この映画でも、爺さんが少年と共に海への夢や自由を追いかけるというストーリーなのですが、海に出航するまでの過程の中がすごく男たちのロマンで溢れているなというのが感じ取れました。また、頑固な爺さんから語られる夢が、人間が普遍的に持つ憧れやロマン心をくすぐってくれます。 この映画の登場人物、この映画から出るセリフの一言一言が、なんとも言えない人間の切望に対する世界観を表現してくれてますね。  

二人だけの世界観がたまらない

大工の爺さんと親のいない少年の二人の世界を中心に展開していく映画ですが、筆者の印象では、この二人の世界観が前半は「孤独」で包まれていたものが、徐々に「夢」や「希望」に包まれていくんですよね。 どの映画でもそうですが、世界観が逆転する分岐点の前あたりのシーンって一番ドキドキしますよね。 この映画では、夕日の前で語る場面だと思うんですよ。 爺さんが今まで抱いていた夢を初めて真剣に話す相手に出会えた瞬間ですよね。 あそこのシーンが孤独から希望の世界観への灯火になったのかな〜なんて考えてます。

寂しい、そして自由な映画

シンプルに寂しさを持たせてくれましたね。 ですが、その中に自由を求める潜在的な欲求がある感じがじわじわと伝わってきます。 年の差のある主人公二人が抱く寂しさと自由の葛藤がうまく表現されているのが好きでした。 最後のシーンでわかるのですが、やっぱり夢を求めることってすごく大事なんだなと。 それでこそ、本来の自由が見えるのかなと感じます。  

食物連鎖の役に立つ」

この言葉は、大工の爺さんが、海に出たいことを娘に話してるシーンのあるセリフなのですが、この爺さんは自由への表現としてこの言葉を言われてるように感じます。 「死に方はオレが決める」「自由なままで最後まで生きるぞ」的なニュアンスが伝わってきて、あ〜今までにない自由との向き合い方だななんて感じながら見ていました。 ていうかシンプルに、カッコ良いセリフですよね。 私たちは自然に生かされているのであ理、自然界の食物連鎖という共同体の一部なのであって、そこに人間だけ都合が乗ったものであってはならないと思うんですよ。そんな意味でもこの言葉は深く刺さりましたね。 まあとにかく、自由を象徴してくれるこの映画の好きなワンシーンです。  

まとめ

自由とは如何なるものか。というのを別の角度から考えることができましたね。 世界観が素敵な映画で、瞬間瞬間の情景を楽しみながら見ることができましたし、スッキリ観ることができました。 正直、結末はある程度イメージできていたのですが、過程の中でどれだけ自由を夢見ることが大事なのか、、、そこに商店が当てられているので、一歩一歩進む感じが面白かったですね。 特に、普遍的にロマンを感じたい人にとってすごく良い映画だと思います。  

 

U-NEXT  

翔んで埼玉を観た個人的感想

ツッコミどころ満載の映画! おそらく誰も真面目に観ることはできないでしょう。。。いたら教えて欲しいです。笑 今回は、ちょっと真面目に評価できないので、ツッコミどころを紹介していきます。 ネタバレ注意なので、ご了承を。。。

作品紹介

娘の結納のため一路東京へと向う、埼玉在住の菅原家。その道中車内のラジオで、ある伝説の物語が流れ始めた。それは、東京屈指の名門校・白鵬堂学院を舞台に、生徒会長・壇ノ浦百美(二階堂ふみ)と、アメリカ帰りの転校生・麻実麗(GACKT)の出会いから語られる--。見るからに東京都民の麗は、実は手形制度の撤廃を求める“埼玉解放戦線”のメンバーだった。埼玉県人を庇い立てする麗を怪訝に思っていた百美だが、何故か麗に心を惹かれていき、次第に東京と埼玉、そして千葉までも巻き込んだ抗争に巻き込まれていく--。(C)2019映画「翔んで埼玉」製作委員会 amazon prime video より

 

https://youtu.be/XDFA1uZ8Fc8  

 

 

翔んで埼玉面白いシーン

主演キャストの顔が濃ゆいのじゃ。

埼玉じゃねえのかよ! 観る前から疑問だったのが、なぜ沖縄出身の二人が主役抜擢なんだろうかと。 そこもせめて、埼玉県人と東京都民にこだわって欲しかった。 主演のキャストが二階堂ふみGACKTだなんて。 筆者の故郷、沖縄県出身の二人が主役なのは、笑っちゃいますよね。笑 埼玉じゃないのかーい!!!つって。。。 しかし、沖縄出身ということもあり個人的には嬉しかったですね。  

まさかのボーイズラブ

被せてきましたね。 被せてきましたよ。流行りのボーイズラブに。 ボーイズラブに興味のない人からしたら、正直、百美役が男なのか女なのかどっちかわからなくなりそうですよね。 筆者はボーイズラブのコンテンツを観たことないのでキスシーンの度に「どーいうことだよ!」ってなってましたが。。。 途中で、「あ!ボーイズラブじゃねえか!」ってなって。 これは、ミュージカルから来たのですかね?どうなんでしょうか。。。 結果、筆者自身はこの映画をきっかけにボーイズラブに興味が湧くことはありませんでした。  

内容がカオスすぎる

面白いか面白くないかで言えば、映画としては面白くはなかったですね。僕自身が非現実的なフィクション映画はあまり好きではないので。 しかし、コメディーやカオス好きには良いのでは。 コンテンツの中身が、カオスすぎて逆に面白いかもしれませんね。 大都会の東京から一歩出た埼玉が、木と藁で作られたど田舎の村だったり、サバンナと化していたり、移動手段が馬だと思いきや、ちゃんと大型トラックやバイクはあったりと、わけわからんことだらけ。 もうカオスすぎるので、笑いと疑問を通り越して、筆者は考えるのをやめました。。。

 

まとめ

真面目に観なくてよかったなと心から思います。 こんな映画真面目に観ていたら正直面白くないですね。。笑 正直、評価はできないです。 どんなセクターで評価すれば良いのか。。。あまりにもカオス状態だったので。。。 まあ、軽い気持ちで、家族や友達とふざけあって観るのが良いかなと。 それにしても、こんな映画の発想力がすごいというのは評価できますね。 埼玉の魅力も何となく伝わったので、埼玉には訪れてみたいですね。プロモーションとしても大成功じゃないですかね。 あ、あと、埼玉県民の皆さん、埼玉行ったことないんですが、この映画の感じですか??  

 

 

IN TIME を観た個人的感想

この世界の人間は、大きく貧困層、一般層、富裕層の人々から成り立っているでしょう。 しかし、地球の限りある資源を独占しているのは、この世界の一般層、富裕層の人々、いわゆる先進国に住んでいる人々になるのではないでしょうか。 今回の映画は、時間(寿命)が通貨になる世界の映画です。一見、時間について考えさせられる映画でもありますが、今回はSF映画への目線よりも、改めて限りある資源の存在について考えさせられたのでそちらを書いていこうかなと思います。 では早速、映画の紹介から!

作品紹介

テクノロジーの発展によって老化を克服し裕福な者は永遠に生きられる一方、貧しい者は寿命のために働き続けなければならない近未来を舞台にしたアクション・サスペンス。監督は『ガタカ』のアンドリュー・ニコルが務め、斬新な発想で時間に支配された究極の格差社会を描き出す。主演は、『ソーシャル・ネットワーク』のジャスティン・ティンバーレイク。共演には『マンマ・ミーア!』のアマンダ・セイフライド、『ダークナイト』のキリアン・マーフィら多彩な顔ぶれがそろう。 外部リンク  シネマ・トゥデイより引用

 

予告

https://youtu.be/JkSAbT0MmgY  

映画を観る前に観て欲しい映像

こちら、世界一貧しい大統領と呼ばれたホセ・ムヒカ元大統領の当時の映像です。 彼が訴えていることを改めて考えて観て、その後で、映画を観ることでこの映画に対する意識が随分と変わって面白いですよ。   https://youtu.be/F7vh7eQUtlw    

映画を観て・・・

閉ざされた世界で生きる人間達

ニューグリニッチという富裕層だけが住める街では、スラムでは考えられないほど大量の時間を持つ人間が集まっていました。さらに、スラムからニューグリニッチの間には、いくつもの街があり、それらは経済力によって隔離されている世界です。ニューグリニッチに行くには、いくつもの高額な料金所を通過しなければなりません。 この隔離された世界は映画上の世界なのですが、どこか現実と重なる感じがしていて、なんなのか考えていたのですが、きっとそれは、物理的な問題あるいは私たちが常日頃から感じる意識的にあるものだと思うのです。 例えば、経済的格差によって、日本で生きる私たちは生きていくための選択肢がいくつもあります。しかし一方で、ある国や都市において、そうはいかない人々もいる(例えば、教育が受けれなくて肉体的な労働でしか生活していくすべがない、オマールの壁のような自由と権力が奪われている世界など)のが現実です。 思うに、私たちが生きる日本と隔離されている世界は、もっともっと数え切れないほどあるでしょう。物理的にも、意識的に感じるものの中でも。そこには、私たちと同じ人間が住んでいるということだけは確かです。

モノの不平等さ

ムヒカ大統領のスピーチが感じさせてくれる共通のものがこの映画から感じることができました。 まあ、この映画では、スラムの人々の時間を搾取して常に経済的に裕福に生き続ける人々がいたわけですが、彼らが消費しているモノがスラムで作られていて、トップが最も利益を被ることができる社会が成り立っているわけです。では、そのモノへの対価は必要十分なのでしょうか。いいえ、決してそうではないからこの映画のような世界になるわけです。 うわあ、マジで酷い世界だなあ。まあ映画だからか。 いいえ、私たちの世界も同じようなもんでしょ。って感じたんです。 私たちが生きている社会は、市場経済で成り立つ市場社会です。その結果、恩恵を受けているのは誰でしょうか。国単位で見るとそれは先進国の人々、だからこそ、社会問題だのSDGsだの嘆かれるのではないでしょうか。 その理由が、この映画のように、対価が決して適切に支払われていないことであり、一方的に大量のモノが先進国に集まるような仕組みになっているのです。 今現在も解決されない、先進国の大量消費と途上国の貧困問題、その間で起きているフェアでないトレードは、今もう一度考えるべきだなと考えさせてくれました。  

まとめ

今回は、映画に対して重い感じでコメントしましたが、SF映画にも関わらず、現実世界にも共通する不平等な世界を上手く表現できているなと感じましたね。 時間が通貨となったり、肉体的な衰えがなかったり、ユニークな世界観で、一種の憧れもあった映画ですが、その世界観が生み出す問題も結局は現実と似たり寄ったりという感じが、親密さを覚えますね。 シンプルにSF好きの人やアクション系が好きな人は面白いと思いますし、別の視点から貧富の差などの社会問題を映画を観ながら考えられるということもできるので、その点でもお勧めできます。 まあ結局、ホセ・ムヒカさんの動画は絶対観てくださいね。  

この作品の配信サイト

 

 

英国王のスピーチを観た個人的感想

この映画は、吃音症に悩まされたジョージ6世の実際のストーリーが映画化されたものなのですが、かつての大英帝国のイギリス王が人々に愛される裏で自分自身と闘っていたのは驚きでしたし、感動を与える映画だと思います。 ジョージ6世の時代といえば、第二次世界大戦時ですね。 ヒトラー率いるナチス・ドイツが隣国として戦争相手国になっていた訳ですが、その時代こそ最も王が国民を安心させ、鼓舞させる大変重要な時期であり、よりイギリス王には強烈なプレッシャーがあるに違いありません。 その裏で一体どのように自分自身と戦い、隣国と戦い、大英帝国のトップとして国民の信頼を得ていったのでしょうか。 気になりませんか?この映画でそれを一つのストーリーとして知ることができました。

 

作品紹介

現イギリス女王エリザベス2世の父ジョージ6世の伝記をコリン・ファース主演で映画化した歴史ドラマ。きつ音障害を抱えた内気なジョージ6世(ファース)が、言語療法士の助けを借りて障害を克服し、第2次世界大戦開戦にあたって国民を勇気づける見事なスピーチを披露して人心を得るまでを描く。共演にジェフリー・ラッシュヘレナ・ボナム・カーター。監督は「くたばれ!ユナイテッド」のトム・フーパー。第83回米アカデミー賞で作品、監督、主演男優、脚本賞を受賞した。 <映画.comより引用> 

 

印象に残ったシーン

当時の王室の役割が何であったのかがわかるシーン

 

前半にあるシーンなのですが、この時代だからこそ王室一行がいかにプレッシャーを感じて重要な役職であるかがわかるシーンがあります。 ジョージ6世の父であるジョージ5世は、寿命が近いことを感じているのか、ジョージ6世に対して次の王が受け負う責任感というのを以下のようなセリフで強調して伝えているんですよね。 ジョージ5世 :「ナチス政権とソ連共産党に誰が立ち向かう?・・・お前だ。」 このシーンで、ヒトラースターリンがどれだけ欧州を脅かしていたのか当時のイギリスの目線から知ることができますし、イギリス王の存在自体が全国民に与える影響力や国を生かす力を大きく持っていたかがわかります。実際は、相当の物凄い緊張感があったと思います。 その中での”演説”という役割は、王室と国民が繋がる数少ない場で最も重要な役割があったわけですが、ジョージ6世の努力に改めて素晴らしいなと。 加えて、王室の役割というものにも語り合っているのですが、その中で、第二次戦争時の王という存在がどういった心持ちをしていて、責任や重圧などのどんな感情を抱いているのかも知ることができました。

 

 

ライオネルとジョージ6世の関係が深まっていく1シリングネタ

 

どうでもよく感じる、映画の中の1シリング。 度々、ジョージ6世との賭けに勝ったライオネルが毎度会うたびに1リングを要求するというものですが、最初のうちは、ジョージ6世はライオネルの1シリングネタを相手にしていなかった。というよりも鬱陶しく感じているジョージ6世。 且つジョージ6世は、ライオネルの治療に対し「あくまで仕事の一環であり、個人的な介入は一切なし。」というスタンスをとって治療に励んでいた訳です。 それでも、二人はの関係は、徐々に二人の喧嘩や葛藤を含め様々な苦難を乗り越えていきます。 そして、とある後半のシーンでようやく1シリングを渡すシーンがあって、ジョージ6世がライオネルに対し初めて約束を守った瞬間だったようです。頑固そうな王というイメージでしたが、友情や愛を大切にするお方なんだなと感じましたね。 国民に信頼される秘密でしょうか。。。

 

ジョージ6世がライオネルに打ち明ける過去

 

ジョージ6世が即位する前に、ライオネルと酒をかわしながら追想し本音を語り合うシーンがありました。 王室の闇というか、王家の一族であるべき姿勢を強制的に身につけられた過去がどうやらトラウマになって、吃音症を引き起こしているようです。 王家であるが故の苦しみや葛藤というのを読者の想像によく訴えられています。また、吃音という大きな課題の克服に、ライオネルという平民の一演劇役者が大きな支えになっていることがこの映画の中で最もよくわかるシーンだと思います。

 

 

世界大戦最中のエドワード8世の辞任

 

ジョージ6世の兄エドワード8世といえば、一般人との女性との恋を追いかけて、イギリス王という役職を捨てた人というイメージでしょうか。もちろんこの映画でも重要人物の位置付けですが、この時代といえば第二次世界大戦最中なので、この辞任が当時のイギリスに与えた影響はどれくらいだったのでしょうか。 しかし、既にジョージ5世がジョージ6世に期待していたり、ジョージ6世もそれなりに準備をしていたことを考えると、王室内ではエドワード8世に対しての期待は薄かったように感じます。 まあ、この映画の中で、弟のジョージ6世へのいじめや私利私欲的なシーンが数多くあるので、大分悪役に感じますよね。 実際もそうだったのでしょうか。

 

 

父として王として

 

ジョージ6世の即位後のシーンで、ジョージ6世の娘達がジョージ6世に対し、お辞儀して”陛下”と呼ぶシーンがありました。王としての役割は、国のトップになること、責任や重圧が重大になること以外にも、身近な人間との間に見えない上下の関係ができるように感じます。 まあ、そのシーンの後などは、父と娘といったごく普通の幸せの家族だったのですが、少なからず公式の場では、役職上での関係になってしまうのですね。

 

 

映画の一連の流れからわかるイギリス目線のナチ政権

 

おそらくこの映画に投影されているのは、数年の出来事でしょうが、その中で着実にヒトラー率いるナチ政権の緊張感は高まっているように表現されていました。 実際に、当時のイギリスで軍事的な指揮を取るのは王ではなく、首相の役割だったようですが、その首相のセリフでもヒトラーほどの道義心に欠けた人間を見抜けなかったとのシーンがあり、ヒトラーの本当の狙いが分かった時には、戦争突入の合図と同時だったようですね。 何よりも、たった数年でヒトラーは少しずつ着実に独裁的に力を持っていき、史上最大の戦争を引き起こした存在としての認識があるようです。この映画から緊張感がみるみる高まるのを実感すると、当時の実際の現場は相当なものだったと感じ取れます。

 

 

ジョージ6世とライオネルの友情

 

ジョージ6世は、戦争スピーチには毎回ライオネルを付かせてスピーチを行なっていたようです。 最も重要な局面でジョージ6世を一番に支えていたのは彼かもしれませんね。 映画の後半でも、ドクターという肩書きを持ってないライオネルに不信感を抱くも最終的に彼を選んでいるので、おそらくそれは、仕事上での関係なく個人的介入を含めた良き友であったからなんでしょうね。 ライオネルは実際に特別な勲章も受けているみたいですし、王室にとって、ジョージ6世にとって、必要不可欠な存在であったことはまちがいないようです。

 

 

まとめ

 

では、最後に印象的なシーンをまとめて終わりにします!

 

・当時の王室の役割が何であったのか。

ジョージ6世とライオネルの関係が深まっていく1シリングネタ

ジョージ6世がライオネルに打ち明ける過去

・世界大戦最中のエドワード8世の辞任

・父として王として

・映画の一連の流れからわかるイギリス目線のナチ政権

ジョージ6世とライオネルの友情

 

シンプルにいろんな感情が湧き出るのですが、かつてのイギリスという存在や世界大戦中の立場、歴史上の背景が実話になっているので、すごく興味深く観ることができました。 英語の勉強にももってこいですね。面白い!!