IN TIME を観た個人的感想

この世界の人間は、大きく貧困層、一般層、富裕層の人々から成り立っているでしょう。 しかし、地球の限りある資源を独占しているのは、この世界の一般層、富裕層の人々、いわゆる先進国に住んでいる人々になるのではないでしょうか。 今回の映画は、時間(寿命)が通貨になる世界の映画です。一見、時間について考えさせられる映画でもありますが、今回はSF映画への目線よりも、改めて限りある資源の存在について考えさせられたのでそちらを書いていこうかなと思います。 では早速、映画の紹介から!

作品紹介

テクノロジーの発展によって老化を克服し裕福な者は永遠に生きられる一方、貧しい者は寿命のために働き続けなければならない近未来を舞台にしたアクション・サスペンス。監督は『ガタカ』のアンドリュー・ニコルが務め、斬新な発想で時間に支配された究極の格差社会を描き出す。主演は、『ソーシャル・ネットワーク』のジャスティン・ティンバーレイク。共演には『マンマ・ミーア!』のアマンダ・セイフライド、『ダークナイト』のキリアン・マーフィら多彩な顔ぶれがそろう。 外部リンク  シネマ・トゥデイより引用

 

予告

https://youtu.be/JkSAbT0MmgY  

映画を観る前に観て欲しい映像

こちら、世界一貧しい大統領と呼ばれたホセ・ムヒカ元大統領の当時の映像です。 彼が訴えていることを改めて考えて観て、その後で、映画を観ることでこの映画に対する意識が随分と変わって面白いですよ。   https://youtu.be/F7vh7eQUtlw    

映画を観て・・・

閉ざされた世界で生きる人間達

ニューグリニッチという富裕層だけが住める街では、スラムでは考えられないほど大量の時間を持つ人間が集まっていました。さらに、スラムからニューグリニッチの間には、いくつもの街があり、それらは経済力によって隔離されている世界です。ニューグリニッチに行くには、いくつもの高額な料金所を通過しなければなりません。 この隔離された世界は映画上の世界なのですが、どこか現実と重なる感じがしていて、なんなのか考えていたのですが、きっとそれは、物理的な問題あるいは私たちが常日頃から感じる意識的にあるものだと思うのです。 例えば、経済的格差によって、日本で生きる私たちは生きていくための選択肢がいくつもあります。しかし一方で、ある国や都市において、そうはいかない人々もいる(例えば、教育が受けれなくて肉体的な労働でしか生活していくすべがない、オマールの壁のような自由と権力が奪われている世界など)のが現実です。 思うに、私たちが生きる日本と隔離されている世界は、もっともっと数え切れないほどあるでしょう。物理的にも、意識的に感じるものの中でも。そこには、私たちと同じ人間が住んでいるということだけは確かです。

モノの不平等さ

ムヒカ大統領のスピーチが感じさせてくれる共通のものがこの映画から感じることができました。 まあ、この映画では、スラムの人々の時間を搾取して常に経済的に裕福に生き続ける人々がいたわけですが、彼らが消費しているモノがスラムで作られていて、トップが最も利益を被ることができる社会が成り立っているわけです。では、そのモノへの対価は必要十分なのでしょうか。いいえ、決してそうではないからこの映画のような世界になるわけです。 うわあ、マジで酷い世界だなあ。まあ映画だからか。 いいえ、私たちの世界も同じようなもんでしょ。って感じたんです。 私たちが生きている社会は、市場経済で成り立つ市場社会です。その結果、恩恵を受けているのは誰でしょうか。国単位で見るとそれは先進国の人々、だからこそ、社会問題だのSDGsだの嘆かれるのではないでしょうか。 その理由が、この映画のように、対価が決して適切に支払われていないことであり、一方的に大量のモノが先進国に集まるような仕組みになっているのです。 今現在も解決されない、先進国の大量消費と途上国の貧困問題、その間で起きているフェアでないトレードは、今もう一度考えるべきだなと考えさせてくれました。  

まとめ

今回は、映画に対して重い感じでコメントしましたが、SF映画にも関わらず、現実世界にも共通する不平等な世界を上手く表現できているなと感じましたね。 時間が通貨となったり、肉体的な衰えがなかったり、ユニークな世界観で、一種の憧れもあった映画ですが、その世界観が生み出す問題も結局は現実と似たり寄ったりという感じが、親密さを覚えますね。 シンプルにSF好きの人やアクション系が好きな人は面白いと思いますし、別の視点から貧富の差などの社会問題を映画を観ながら考えられるということもできるので、その点でもお勧めできます。 まあ結局、ホセ・ムヒカさんの動画は絶対観てくださいね。  

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