【インドがわかる映画】ピザ! レビューしてみた

作品紹介

南インドの都市、チェンナイ。スラム街に住む幼い兄弟は、日々働きながら生活していた。そんな中、街に初めてピザ店がやってくる!色とりどりの具がのるピザに釘付けの兄弟。想像できない味を体験してみたい。しかし、それはなんと家族の1ヶ月の生活費よりも高かった!そこで、二人は、ピザを追いかけて、必死にお金を集めるが・・・  

 

予告

https://youtu.be/7xFBOM3wg0k  

 

感想と印象に残ったこと

ピザは高級料理!?

 

発展途上国では、物価が安いことは、よくある話ですが、何故かピザだけは、どこの国でも日本とさほど値段は変わらないですよね。 筆者もベトナムで1日500円生活をしていた時は、ピザへの憧れを持っていたんですよね。 スラムの子供達の視点では、高級な食べ物なんですね。 ピザを切り口にコミカルに表現されていて、観やすい映画です。  

 

視点と切り口が独特

 

いやあ〜、それにしてもピザを切り口に展開していくって凄い独特ですよね。 私たちにも馴染みのある世界共通の食べ物で、誰にでも伝わりやすいのでほとんどの人が同じ価値観で観ることができそうですね。 それでいて贅沢! ”ピザから考えるインド社会”という切り口が何ともナイスな映画。 スラム街が舞台となり描かれて、ドキュメンタリー映画のようなものって数多く存在するのですが、この映画に関して言えば、視点や切り口が独特でコミカルに展開していくのが特徴ですね。 もちろんインドの社会問題もてんこ盛りですが、そんなことを感じさせない映画かなと思います。 それでも、スラム街の生活環境、教育格差、児童労働など、背景にはカースト制度の影響があることがしみじみ伝わって来るように、受け手が考えさせれることはたくさんあったので、国際社会の問題や現状を知っておく上では、観やすくて入りやすい映画です。  

 

幸せな子供と貧しい大人

 

この映画の子供達って、お金持ちの子もスラムの子も、素直で健気で終始笑顔が絶えないんですよね。 あるシーンで、お金持ちの子がスラムに住んでいる主人公2人に、「どんな仕事をしてるの?」「いくら稼げるの?」と質問したり、「ピザあげるよ。」「お父さんに洋服を買ってもらった。」とか話してるんですよね。 なんかすごく素直だなと感じるし、好奇心に溢れてありのままに話す姿がすごく幸せに感じます。 だからこそ、観やすいというのもあるかもしれませんね。 一方、大人たちに関しては、すごく心が腐っているなと。 この映画では、笑わない大人、お金目的の大人、子供を売る大人、だらけ。 やはり人間は、目に見える価値だけを意識しだしていくと、いつの間にか自分と他者を比較したり、お金だけに目が眩んでいき、モノだけで価値判断する生き物になるのでしょうか。 この映画の大人たちは、幸せな子供たちに比べて、すごく貧しい大人だと感じました。 でも、ニンジンおじさんのような子供と向き合う大人ってなんか素敵に見えるんですよね〜。 ニンジンは好きでしたね。  

 

オチが面白い

最後は、ハッピーエンドで美味しかったで終わるのかなとか思っていたのですが、「あまり美味しくない」というまさかのオチ。あれほど追いかけて追いかけて手に入れたピザ!なのに。。。 最高のオチがこの映画の良さを最後に引き立たせてくれました! いやあ、値段や広告に騙されない子供は素直だなあとつくづく。  

 

まとめ

改めて、今回印象に残っていることは、 ・ピザは高級料理!? ・視点と切り口が独特 ・幸せな子供と貧しい大人 結論として、すごく観やすくて、それでいて社会勉強にもなるといった、ためになる映画でした。 まさかピザという食べ物を使って、インド社会について学べるとは思いもしませんでしたね。 おすすめとしては、子供たちが世界の社会について知る機会にはすごくいい映画じゃないかなと思いますね。 もちろん子供だけでなく、多くの人が観て、気づける点がきっとあるはずなので、誰にでも当てはまる映画だと思います!